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50日目 11月15日−1 屋久島を離れる

 今日、屋久島を出る日となったが、一体何日間居たのかを空で計算できないし、何をしていたのかも正確に思い出せない。無為と徒食。私が戒めとすべき言葉であることを忘れさせるのが屋久島だった。



 テント村から出ることもなくマスターとの会話を楽しんだりした。クスクスを訪れた多くの若者たちとも旅の話を楽しんだ。


 
 港ではテント村くすくすのオーナー里見さんのお見送りも頂いた。予期せぬことに感激した。
里見さん。安納芋を沢山に有難うございました。
テント村くすくすのを開いてくださって有難うございました。
私は屋久島へ三度来ることは叶わないでしょうが旅する若者をお労りください。




 船が港を離れる時に屋久島の峰々を隠していた黒雲が大いに乱れて激しい雨になった。
 
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テーマ : 自転車
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46−47日目 11月11−12日 屋久島周回サイクリングー2

 湯泊温泉の休み屋の奥さんのお陰で今夜の宿が見付かった。湯泊から西に8㎞の粟生の民宿だ。完全素泊で1泊3,000円。6畳の和室で電気炬燵が暖められていた。温かい炬燵が有難いと思うほど外は寒かった。



 民宿ぽんかんの窓の外は水底まで透き通った粟生川で、そのまま海まで流れていた。尾之間のコープで買ってきたオニギリで夜食を済ませた。熱い風呂が有り難かった。

 10日の午後に強い雨が降って一気に冬型になった。私が最も恐れたことは冬型気候に宮之浦岳が閉ざされることだった。ギリギリでセーフというところだが、粟生川に架かる橋から川上を見ると山の半分から上は重い雲に隠されていた。






 宿を7時25分に出て、5㎞ほどで大川の滝(おおこのたき)で日本の滝100選に選ばれた名瀑だ。早朝だったので誰もいないと思ったら大阪から来た女子大生に写真を撮ってもらうというラッキーにめぐり合った。
 大川の滝は一塊の花崗岩を流れ落ちる名瀑に違いは無いが、一枚岩を流れ落ちる滝としては茨城県の袋田の滝の方がスケールは雄大だった。




 大川の滝から少し走った瀬切橋から急な登りが続き標高200mまで一気に登る。そこまで2車線だった道が1車線になるといよいよ西部林道だ。

 この後も200m~250mの間を細かくアップダウンするが舗装はしっかりしている。すれ違った車はライトバンと乗用車が1台づつ、小型のマイクロバス1台。




 永田灯台が眼下に見えると林道の終点永田集落は近い。




 永田集落の橋の袂に永田岳への登山道の道標がある。私達は50年前にこの道を下って来たのだ。
私達は船の便を待つために 砂浜で何日間かキャンプした。ある朝、浜辺にウミガメが産卵の為に上陸した痕が見られた。今はウミガメ保護の重要指定地とされて季節によっては厳格に立ち入りも規制される。

 私達は一湊(いっそ)から船で鹿児島に戻ったが、トビウオが甲板に飛び込んで来るほど小さな船だった。

 宮之浦港に着いたのは12時40分、100㎞の楽しい周回サイクリングだった。

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46−47日目 11月11−12日 屋久島周回サイクリングー1

 屋久島が周回出来る道が出来たのは何時か知らない。少なくても50年前には島の西海岸に道路は無かった。今回、屋久島に来た楽しみの一つは自転車で屋久島を周回することだった。




 島の西海岸に拓かれた道は西部林道である。屋久島の周囲を走っている道は県道78だが、この部分だけは《林道》と規定されている。つまり、県道としての規格で道路を開削出来ないほど険しい地形を予想させた。
 テント村くすくすに泊まっていた若者は1周、約100㎞を6時間で回してきた。70歳になって、いまさら若者パワーを羨望してもしょうがないし、こちらには時間はたっぷり有るという強みも有るので1泊2日で回ることにした。






 くすくすから屋久島を時計回りに1/5周、約20㎞を走ると安房(あんぼ)だ。50年前に屋久島に上陸したのは安房港だった。当時の港には切出された屋久杉が山のように積上げられていたが、今は若い杉が漁船の陰に隠れる程度に僅かに積まれただけだった。




 当時は安房港まで森林鉄道が通じていて、小杉谷に住んでいる山林従事者の家族も買い物には鉄道を利用していた。人を載せるための有蓋車両を一両繋いでいた。私達もそれに載せてもらった。今は何処を走っていたのか軌道の跡も見つからなかった。安房港に流れ込む川の上流を見ると私達が歩き回った山々が見えた。




 屋久島はほぼまん円い島だが、島の北東部に在る宮之浦地区では鯖が良く獲れて、それは首折れ鯖というブランドで取引されている。そして島の南東部の安房ではトビウオが良く獲れるそうだ。
 安房で一番人気の食堂淀川の一番人気の刺身定食にもトビウオの一夜干しの焼物が主役のように鎮座していた。正直言って、年寄りにはトビウオだけで十二分だった。
 料理の説明をしよう。皿からはみ出したトビウオ。その背中に見えるのがカメノテ、亀の手;正に本物の亀の手を知らなくても、亀の手を思わせる、指先のように数個に割れた先端をこじ開けて中身を食べる。味が判る程の中身は無いが、アッサリした味だった。
 

 島の南端には尾之間(おのあいだ)集落が在る。屋久島の海岸から宮之浦岳まで歩いて登れる最短ルートだ。淀川小屋で会ったフランス人のMarcさんはこの道を歩いたそうだが、鯛之河出会の渡渉は一人では危険を感じたそうだ。「こけたら、このまま太平洋だ」と、思ったそうだ。
 この集落には島の南部で只一つのスーパー;Aコープが在る。西部林道には人家はおろか自販機すら無いから食料はここで買おう。




 更に西に10㎞弱で平内海中温泉が在る。干潮になった時だけ海の中から現れる。
 水着着用禁止ーーーーーだからーーーーー深夜が干潮の時が最高らしい;;;星空も綺麗し。






 私が行った時は、潮が引き始めた頃で湯船はまだ冷たく、掛かり湯用の小さな湯だまりだけが生温かい程度だった。北風が吹いて寒かったので入湯はパスした。
 海中温泉の横に民宿海中温泉荘が有るが完全予約制だといって断られた。




 同じ屋久島でも北部の宮之浦地区とは異なり南部のこの辺りではパパイヤが庭先に成っていた。屋久島では野菜として扱われて炒めものにして食べるらしい。


 屋久島では11月はもうオフシーズンなので、民宿やロッジなどは閉めているか休業していることが有るので前もって電話で確認が必要だ。私も海中温泉に近いロッジを予定していたが電話さえも繋がらなくて、慌てて宿探しになった。




 次に訪れた湯泊温泉は浜辺の温泉だ。私は宿のことが気がかりで入る気がしなかったが、簾の向こうから数人の話し声がしていた。
 ここの売店の奥さんが大変に親切な方で、多方に電話して開いている民宿を見付けて下さった。奥さん、有難うございました。
 

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45日目−2 11月10 日 自転車で100名山完登祝賀会



 全く思わないことだった。

 横断幕は以前くすくすに逗留していた画家が屋久杉をイメージして描いたものだ。その貴重な絵を使って祝賀幕をマスターMさんに作って頂いた。
 
 


 テント村くすくすに泊まっている旅人たちに祝ってもらった。






 一夜の宴が終わって、翌朝は何人かの若者が次の目的地に旅立って行った。
 

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45日目−1 11月10 日 タイヤのチェンジ

 9月27日に埼玉県川口市の自宅を出発してから45日が過ぎた。この間に2,120㎞走って、16,780mを登った。
 自転車の後輪のタイヤは明らかに摩耗が激しいので前後のタイヤを入れ替えた。
 それと同時にブレーキシューも取り替えた。

 

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42日目−4 11月7日 屋久島は花崗岩の島 

 

 上の地図は屋久島を構成する岩石の種類を示したものだが赤色の部分が花崗岩なので、 屋久島はほぼ全島が花崗岩で出来ているといってもそう外れてはいない。




屋久島の花崗岩は巨大な長石の結晶を含むことだ。大きなものでは長辺が10㎝ほどもある。

 


 長石の結晶は風化に耐える力が強いので他の部分が風化で欠落すると浮き出してくる。




 後には長石も母岩から落ちて、長い時間の間に、流れなどの作用で集積される。まるでサイコロを作っている作業所のように見える。




 太忠岳の岩も巨大な長石の結晶を含む花崗岩だ。

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42日目-3 11月7日 太忠岳に登る 天上回廊−6



 全島が花崗岩で出来た屋久島でも太忠岳の天柱石は特徴的だ。まるで天を支える柱のように立っている。




 太忠岳に登る為にはヤクスギランドに300円を払って入場しなければならない。入場料を徴収するゲートがある。




 天柱石本体は手掛かりが無くて私のような素人には無理。




 クラックに指を入れて、肘を岩角に押し付けて乗り上がる。




 上は結構広い、多分6畳ほどはあるが傾いているので不安だが、二人のロマンスの為には十分な広さだった。名古屋の女子大生のN.Sさんは山岳部とサイクリング部の掛け持ちで、脚の強いこと、全く脚に負えなかった(手に負えなかったともいう)。




 幸せな山行を楽しんで下さい。

 登り2時間強、下り1時間ほどだった。

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42日目-3  11月7日 大川杉 天上回廊−5



 宮之浦岳に登ったので「自転車で100名山」の旅と50年ぶりの想い出の確認の旅は終わった。




 淀川小屋でフランスから来たフォトアーティストのMarcさん38歳と浸しくなった。彼は仕事に使う写真はネット上から買うが自分のオリジナル画像を求めて世界を旅しているそうだ。








 淀川小屋から徒歩30分ほどで淀川登山口に下りられる。ここまでは自動車で入れるので、ここから頑張れば1日で宮之浦岳の往復も可能だ。トイレの前には携帯トイレの回収ボックスがある。

 ヤクスギランドまでは林道と花の江河ルートが有るが、ガイドに聴くと手入れがされていないので湿地帯歩きになるそうだ。今回は林道をを歩く。




 林道を曲がると、その先に大杉が立っていた。
 大川杉。名前の起こりは林道の開設技術者だった大川氏が、林道の設計上は切り倒す予定だった、この杉の威厳に感銘してルートを変更して伐採せずに残すことが出来たので大川杉と命名された。
 私は屋久島で数本の巨大過ぎを見てきたが、この大川杉ほどの雄大な凛とした杉を観たことは無かった。
 直ぐ近くに紀元杉も有るが私は大川杉に一の矢を立てたい。




 1時間ほどでヤクスギランドに着く。ここには売店にトイレがあって休憩できる。
 また、ヤクスギランドに入るのには300円を支払うのは白谷雲水峡も同じシステムだ。ヤクスギランドの中は遊歩道が整備されているので山歩きに慣れない人も散策出来る。

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42日目−1 11月7日 淀川小屋で 天上回廊−4

 

 フランス人のフォトアーティストのMarcさんと親しくなった。
 尾之間登山口から淀川小屋に登るために民宿に泊まったが、「夕食は前日までに、朝食は2日前までに予約が必要」と言われて昨夜から飯抜き状態だった。だからといって、行動食の手持が十分かといえばそうでもなかった。一言も日本語を話せないので民宿の主人と意見の交換が出来なかった可能性はあるが、屋久島では完全素泊りの民宿は多い。

 話し始めは、私がコーヒーを飲むためにお湯を沸かしていると、彼の方からお湯を貰えないかと言ってきた。行動食やコンロを持たない理由を聴くと、歩行時間を単純に加算すると縄文杉までの日帰りが出来ると計算したそうだ。
 中でも行動食の欠如が危険なので私の予備食の一部を与えた。

 下山後、宮之浦の街でMarcさんに出会った。
 日本の赤色系の紅葉の美しさはフランスには無いものだそうだ。紅葉の京都へ旅立た。

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41日目 11月6日 宮之浦岳登頂 天上回廊−3



 10年計画で始めた『自転車で100名山』も宮之浦岳に登るとやっと完登するのだ。私にとっては100名山の完登も嬉しいが50年ぶりに宮之浦岳の山頂で山仲間たちに会えるのが嬉しい。

 5時に小屋の外に出ると満天の星だった。50年前、初めてさそり座を観たのも屋久島の空だった。薄明の6時20分満を持して一歩を踏み出す。今日は懐かしいWVの先輩や同輩と一緒に歩く1日だ。




 第二展望台で初めて宮之浦岳が観える。




 標高が1650mを越えると背の低い笹原になる。この景色は想い出と良く一致したのが嬉しかった。




 焼野三叉路からは50年前に歩いた永田岳方面が見渡せる。




 ようやく、やっと、念願叶って・・・・・・。どのような修飾語を用いようがしっくりしない。思わず叫んだ。先輩のみんな元気ですか~~~~~~~。
 50年ぶりの宮之浦岳に登るために自転車で100名山を10年計画で走り継いできた。ようやく焦点の宮之浦岳に登ることが出来たのだ。




 山頂で待ち構えて私の登頂を拍手で祝ってくださった群馬県の北詰さん。ご一緒に3日間の山歩きは想い出に残るでしょう。




 50年前には粗末な板に山名が書かれただけだったが、このように立派な山名標識が設置されていた。当時は一等三角点が笹原の中に埋もれていたが今では山頂の広い範囲が禿山になっているのが痛々しかった。




 花の江河、このロマンチックな名前は私の心の中に延々と生き続けていたが、花園だったようにイメージしていたが 湿原だったのだ。

 牡鹿が寝そべっていた。その一方では鹿の食害調査も行われていた。
 




 淀川小屋着は13時だった。
 淀川小屋からは1時間ほどで登山口の駐車場に下りられるので私が到着した時間には誰も居なかった。ここまでご一緒だった北詰さんも下山された。




 

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プロフィール

自転車で100名山

Author:自転車で100名山
10年計画で自転車だけで100名山を完登した記録。登山旅は旅程そのものがドラマだ! 定年からの100名山は自転車の旅で楽しもう! 
トムラウシへの道には車輪よりも大きなフキが群れている。

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