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北海道-5 斜里岳&羅臼岳 自転車で100名山

自転車で100名山をめぐる登山では色々な心配事が有るが北海道ではヒグマとエキノコックスが心配だ。

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このポスターは斜里岳登山口の清岳荘に掲示されたものだが、これと同じようなポスターは町の中の小公園のゲートボール場などのも貼り出されている。



1970年にはカムイエクウチカウシ山で、福岡大ワンダーフォーゲル部員が1頭のヒグマに度々襲われて、3日間に5名中3名が殺されるという惨事が起こっている。 

 
福岡大生を襲う前に、
北海岳友会のメンバーを追い回していた。九死に一生を得た北海岳友会員はその体験と、遭難した福岡大生との出会いの状況や事故の様子を詳細に報告した。また同報には「福岡大学ワンダーフォーゲル部の遭難報告書」の抜粋も記載されている。

「カムイエクウチカウシ山におけるヒグマによる遭難」:北の山脈(北海道撮影社)の創刊号(1971年)。

                    

  

斜里岳と羅臼岳

 


 

 







鳴物を着けていてもヒグマに襲われることが有る。

 

鈴は必ずしも有効ではないが、少しでも無用の遭遇事故を避けるためにクマ鈴を用意した。大阪の登山店を回って一番大きい音がするクマ鈴を買った。皮ベルトに日本古来の“鈴”が3個付いたもので、結構良い値段がしたが心もとない音なので四国遍路で使った“持鈴”を持って行った。



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持鈴はベル型で「リーン、リーン」と高い音が響く。

北海道の登山店では持鈴と同じベル型のクマ鈴が売られていて、道内の登山者はベル型を使用する人が多いようだった。
中には「ピンポン」と大きな電子音がするタバコ箱大の装置を着けている人もいた。ラジオも有効といわれるが北海道ではラジオが受信しにくいところが多いし、特にクマとの遭遇が最も心配される谷筋ではラジオが受からないので注意が必要である。


また、グループ登山のリーダやプロガイドでクマ対策スプレーを腰に着けている人もいたが、


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 私は、スプレーを用意せずに、グリップも含めた全長32㎝、ブレード18㎝、グリップ部分がパイプ状で木の柄を足すことができる山刀を北海道の登山店で入手した。実際にこれで戦えるか、先に腰が抜けるかは別として山中で頼りになったのは事実である。

 

 

 [2004年10月1日] 天候の回復を待って沈殿していた清里町の公園から斜里岳に向かう。



大きな地図で見る

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登山口まで標高差650m、ダート交じりを15kmである。


林道を自転車で走る時もヒグマとの出会い事故に備えて山刀はすぐに手が届くところに取り付け、さらに笛を吹き続けながら走る。


10月初旬は紅葉の絶好期で何処の山も燃え立つように輝いているが、北海道の山はもうオフシーズンなのか登山口の清岳荘は閉じていて、辺りに全く人影は無かった。



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黒板に書かかれたヒグマの出没情報も9月2日付で古くなっているのが一層不安を募らせる。

鈴と笛と山刀を身に着けて、沢沿い30分で下の二股、

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ここで沢通しの旧道と尾根筋の新道に分かれるが旧道を行く


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1時間半で上の二股、新道が合わさり、がれた馬の背を急登30分で山頂である。


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斜里岳からの眺めはオホーツクの海岸が長々と弓を引き、大山からの眺めとよく似ている。30分の間、眺望を独り占めして下る。



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登りには気が付かなかったが、上の二股分岐のすぐ横にヒグマのフンが二箇所にあった。

ヒグマは雑食性で、この時期は山ブドウやナナカマドの実を多く食する。その為にフンはまるでブドウの搾り粕のような茶紫色の荒い粒子(多分、ブドウなどの果皮)に大量の種子が混ざったものだった。一両日の雨に叩かれて幾分かは崩れているが古いものではなさそうなので、一段と鈴と笛を鳴らし山刀を握り締めた。


上の二股から新道を30分で熊見峠である。ぬかるんだ急坂を下ると川沿いの道に出て、清岳荘は近い。


山頂まで登り3時間、下り2時間半で無事に下山する。




[10月2日] 清里町から途中一泊して知床半島のウトロ国設キャンプ場に着く。


キャンプ場は海沿いのウトロの街の後背に在って、急坂を50m登った観光ホテル街の一角にあるが、キャンプ場は9月末でオフになっていた。

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一抱え以上もある樹林の下に広がる草原で、

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客の居なくなったキャンプ場はエゾシカの天国になっている。


キャンプ場の一角に大きなタンス程の鋼鉄製のロッカーを見つけた。貼ってある注意書きによるとヒグマ対策のフードストッカーだった。こんな街中といえるキャンプ場にフードストッカーが設置されているのには少なからず驚いた。例え、街中に近いキャンプ場であっても知床はヒグマのテリトリーなのだ。調理も食事もテントから外れた所で済まし、残りの食料はフードストッカーにしまい込んだ。



[10月3日] 自転車で100名山巡りの道連れとなった若者と羅臼岳に向かった。


ウトロから知床横断道路で自然センターまで行く。

そこから道道93号で岬の峠を回りこむと岩尾別ユースホステルがある。この時期には目の前の小川に鮭が大挙して遡上していて、それを狙ってヒグマが出てくるので有名である。

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ここから道道の支線に入り、イワウベツ川沿を詰めるとホテル地の涯である。玄関前を右に回り込むと登山口の木下小屋がある。


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閉じられた木下小屋の前に自転車を置いて、視界の無い斜面に入る。


羅臼は北海道でもヒグマの生息密度の高い所で、山麓の観光地知床五湖でもヒグマの出没で散策が制限されることがある。

また、旭川のキャンプ場で知り合ったイギリス人は羅臼岳登山で、ヒグマの子供と遭遇し、危険を感じて、すぐに木に登った。母熊がうなり声を上げて走ってきて、一時間余りも木の周りを臭いを嗅ぎながら歩き廻わるので、心底、生きた気がしなかったそうだ。よほど怖かったのだろう、彼は思い出話をしながら身体を震わせた。


最初にあげた福岡大学生の悲劇はテントの外に置いていたザックに近寄ったヒグマを鍋を叩いて追っ払ったことが発端になった。

エサ(ザック)を取り返そうとして大学生を追い回すヒグマの執念の深さと、このイギリス人が登った木の周りを一時間も離れなかった執拗さはヒグマの性格そのものである。


登り始めて40分程は樹林帯の急登で視界が利かない。視界の利かない林の道で、先のイギリス人の体験談を思い出して緊張していた時、林の中で木が折れる音がした。

~~~~ヒグマ~~~~~ 一瞬背中が凝った。


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大きな角をしたオス鹿が私達を見ていた。



林を抜けるときれいな水が流れる小沢を跨ぐ。この流れは弥三郎水と言うらしいがエキノコックスの危険が一杯だろう。


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流れが細くなり、やがて伏流すると極楽平に着く。山頂まで4.0㎞とある。



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しばらくは沢に絡んで登り、金襴の紅葉の中を、さらに涸れた沢に沿って高度を稼ぐと眼下に知床五湖が光っている。


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山頂直下の羅臼平にはステンレスの厚板製のフードストッカーが設置され、6テン5張は張れるが水場は無い。水は登山道の途中で小沢に沿う辺りで弥三郎水が入手できる。そこにも4テンが張れるスペースがあるが、ヒグマとの伴寝の覚悟が要るような場所である。


羅臼平からの羅臼岳 鄒・・蟯ウ逋サ螻ア7_convert_20090731213220

もう一か所の水場は、羅臼平から見た羅臼岳の山頂部の急傾斜になった山腹に水が滴っている所がある。
年中利用できるか保証の限りでは無い。この時は既にツララができていた。「岩清水。頂上まで600M」とある。



羅臼平のように登山道の途中にザックを置いて、登頂し、山頂から下りてくるとヒグマがザックを漁っていた、ということは時には起る。この時は、決してザックを取り返してはならないと話してくれたのは北海道在住で北海道300名山を踏破した山屋さんだった。


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この時期の羅臼平は赤、黒、白のベリーの季節である。「大草原の小さな家」の二女のローラがベリー集めに走り周りそうな雰囲気だった。


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山頂からは北に硫黄岳の荒れた火口壁が見え、東の足下に国後島が見える。


登り4時間、下り3時間半である。

 


 [10月4日]ヒグマはダートでも時速50kmで走るが、自転車はせいぜい5km、これでは初めから勝負にならない。


やはり知床を自転車で走るのは勇気がいる。

心細く思っていると、旅で知り合った若者もやってきて、昨日の若者と三人揃ってカムイワッカ湯滝に行く。

知床五湖を過ぎると後はダートを16km4時間で湯滝の登り口に着く。


商魂逞しい草履屋が露店を出していて沢草履を500円で借りる。


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滑滝交じりの沢の中を距離にして800m程登ると、湯気の揚がるカムイワッカ湯滝である。先客は2人だけ。のんびりと湯の滝壷を泳ぎ回る。

温泉は滝の落ち口の上に在るので、滝壺の場所によって温度のむらがあるが気持ちよく楽しめた。

水着着用がエチケットである。着替えは背丈に満たない岩陰でするので混みあう夏は勇気が要るだろう。



次の日には知床横断道路で標高720mの知床峠を越えて羅臼町に向かう

 


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 標高720mの知床峠は既に晩秋で、峠を登りきって休憩をした瞬間に寒さが全身を走り抜けた。 北側に羅臼岳を見ながら峠を越えて羅臼に下った。

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そこは国境の町で国後島が目の前である。近いところでは対岸まで16㎞、海峡の中央に引かれた“国境線”まで8㎞である。



北海道に上陸したのは8月10日だったので、ここまでで56日間走り継いできたことになる。しかし、自転車で100名山の旅はちょうど半分の旅程が終ったに過ぎず、晩秋の寒さから旅の日数の不足が心配になりだした。


更に、1027日に長万部で雪将軍に追いつかれるまで自転車で100名山の北海道の旅は続いた。

 
おわり

 



この原稿は大阪勤労者山岳連盟機関紙労山ニュースに投稿したものに加筆訂正したものです。

 

 



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tag : 自転車で100名山 ヒグマ カムイエクカウシ 北海道 クマ鈴 斜里岳 清岳荘 ウトロ 羅臼岳 カムイワッカ

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プロフィール

自転車で100名山

Author:自転車で100名山
10年計画で自転車だけで100名山を完登した記録。登山旅は旅程そのものがドラマだ! 定年からの100名山は自転車の旅で楽しもう! 
トムラウシへの道には車輪よりも大きなフキが群れている。

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